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睡眠薬の種類と作用時間について

 

睡眠薬の種類と作用時間について解説します。
睡眠薬といった場合、市販されている睡眠改善薬や漢方薬、ハーブ(バレリアンなど)を含む場合もありますが、ここでは医師が処方する睡眠薬の種類と作用時間に限定して解説していきます。

睡眠薬の種類は二つ

まず睡眠薬の種類ですが、大きく分けると以下の2種類になります。

  • バルビタール系
  • ベンゾジアゼピン系

バルビツール系(バルビツール酸系)の睡眠薬の種類は、一昔前に使用されていた薬剤です。いわゆる量をオーバーすると致死量に達するとか、自殺目的で睡眠薬を使用するといわれるのは、こちらの睡眠薬です。

現在使われているのはベンゾジアゼピン系の睡眠薬。
バルビツール酸系ように脳幹に直接作用せず、大脳辺縁系を鎮めることを主な作用としています。そのため量のオーバーで致死量に達する心配は、ほとんどありません。昔の不眠症の治療薬に比べれば、格段に安全になったといえます。しかし睡眠薬の副作用や危険性(リスク)、依存症が全くないということではないので、正しい服用が大切になります。

睡眠薬の作用時間

それではベンゾジアゼピン系の睡眠薬の種類や作用時間を見ていきましょう。
現在使われている睡眠薬は、不安を鎮める抗不安薬で、精神安定剤の一種です。

睡眠薬の種類は作用時間によって、4種類に分類できます。

  • 超短時間作用型
  • 短時間作用型
  • 中間時間作用型
  • 長時間作用型

上記のように睡眠薬の種類は、作用時間つまり効き目の長さによって分類されています。効き目が短いタイプは、すぐに眠くなる代わりに薬効が切れるのも早くなります。いっぽう効き目が長いタイプは、一定時間が経過してから徐々に効いてきます。その代わり、翌日も効果が残ってしまい、眠気やふらつきという睡眠薬の副作用があります。

超短時間作用型

もっとも作用時間が短い睡眠薬の種類です。
ハルシオンやアモバン、マイスリーなどがあります。ハルシオンは有名ですね。服用してから30分以内に眠くなるので、飲んだらすぐ寝ることが大切です。そうしないと、布団以外の場所で眠ってしまう可能性があります。それほど強い睡眠薬の作用があります。服用したあとのことを覚えていない「健忘」が出ることもあります。

血中半減期(血液中の薬剤の濃度が半分に減る時間)が短いのが特徴です。
そのため夜中に薬効が切れて目覚めてしまう、中途覚醒を起こすことがあります。アルコールと同時に服用すると、夜中に目覚めた後のことを覚えていない、夢遊病の症状が現れます。

短時間作用型

次に作用時間が短い睡眠薬の種類です。
レンドルミン、エバミール、ロラメット、リスミー、デパスなどがあります。ハルシオンのような夢遊病の症状の心配は減少しますが、その分すぐに寝付く効果が弱くなります。

もちろん、この睡眠薬の種類であっても、アルコール(お酒)との服用は禁忌です。

中間時間作用型

中途覚醒や早朝覚醒といった不眠症に処方される、睡眠薬の種類です。
エリミン、ベンザリン、ネルボン、ユーロジン、ロヒプノール、サイレース、ドラールなどがあります。睡眠薬の作用時間は長めで、翌日に持ち越すことがあります。もちろん寝付けないという不眠症には、処方されません。だんだん効果が現れ、寝ている間に徐々に効いてきます。

睡眠薬の作用時間が長いので、翌日に眠気や倦怠感が残ったり、ふらついたりすることがあります。とくに肝臓や腎臓の機能が衰えている高齢者や、肝臓に疾患をもっている人は、毒素分解能力が低下しているので、翌日に持ち越し効果が現れる確率が高くなります。

こういった人たちは、超短時間作用型の睡眠薬の種類であっても、翌日に持ち越す場合があります。

長時間作用型

もっとも睡眠薬の作用時間が長い種類の薬剤です。
インスミン、ダルメート、ソメリン、ベノジール、ネルガートなどがあります。早朝覚醒の不眠症とともに、日中の不安感を和らげる目的で使用します。

たとえばうつ病であったり、統合失調症(精神分裂病)である場合は、日中に不安感が強くなることがあります。そうしたとき、作用時間が長い睡眠薬の種類を処方して、早朝覚醒を改善するとともに、不安感を抑制するわけです。

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